第1回は、ボールペンの書き味の秘密に迫ります。実は、あのなめらかな書き心地は「粉」のおかげなんです!
今後も、化粧品、食品、エネルギーなど、いろんな分野で活躍する「粉」の話を続々ご紹介する予定です。「粉って地味?」いえいえ、実は超ハイテクなんです!これを読めばあなたもきっと「粉ってすごい!」と言いたくなりますよ。
なめらかでクセになる書き心地のボールペン。その秘密は、インクに含まれる「粉」にあります。
油性インクでありながら驚くほど滑らかな書き味を実現しているのは、微細な粉体(潤滑剤)がペン先の摩擦を減らしているからです。ボールペンのペン先では、金属球が紙の上を転がりながらインクを供給しますが、このとき摩擦が大きいと、書き味が重くなってしまいます。そこで活躍するのが粉体技術。ナノサイズの粉末がインクに均一に分散されることで、ペン先の摩擦を軽減し、スムーズな書き心地を実現しているのです。
さらに重要なのは、粉の選定と分散技術。粒子の大きさ、形状、表面処理など、緻密な設計が求められます。ほんの数ミクロンの違いが、書き味やインクの安定性に大きく影響するため、粉体技術者の知見が欠かせません。
つまり、あの「クセになる書き心地」は、粉体技術の結晶なのです。 私たちの生活の中で、粉は目に見えないところで大活躍しています。